2023年受講者インタビュー

岩谷産業株式会社
土橋 匠さん

技術提供機関(研究機関名):大阪公立大学 白藤研究室

チーム名:Aチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

ガス&エネルギーをはじめとして、機械やマテリアル、アグリ・フード分野等、多角的に事業を行う専門商社の新事業開発部門に所属し、日々新事業や新商品の企画開発を行っています。 様々な企業の新事業開発担当者間のネットワーキング機会も多く、その中で過去T-CEP参加者の方から同プログラムの紹介を受けました。
私自身、大学技術シーズの事業化支援を行っていきたいと考えており、そのための知識やノウハウを得たいと思い参加しました。

参加した結果、得たものは何ですか?

大学技術シーズの事業化(起業)にあたっての一連の考え方や知識を学ぶことができたと感じています。ビジネスモデルキャンバスやジョブズキャンパス、事業計画表・資本政策の作成などのフレームワークはもちろんですが、事業を作るための精神面(will)の重要さを学べたのは、実践を通して取り組める本プログラムだからこそと思います。
様々な業種のメンバーでグループワークを行うので、異業種分野の知識や考え方を学べたのも非常に有意義でした。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

現在、実務において大学技術の事業化支援を行なっていることもあり、今回の学びをダイレクトに活化していきたいと考えています。日本にはまだ事業化に至っていない素晴らしい技術シーズが多くあると考えており、今後の日本の産業競争力を向上するためにも、事業化による社会実装を促進していくことが必要と感じています。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

T-CEPでは、0→1を作っていく活動になるため、暗中模索の苦しさを味わうことが多くありますが、チームメンバーで助け合い作り上げていく経験は自身の成長に大きく役立つと考えています。
普段の業務では得ることのできない知識や人的ネットワークを得たい方には、非常に有意義なプログラムになると信じています。
特に大企業で、業務に閉塞感を感じている方、や新しいことにチャレンジしてみたい方に非常にお勧めします!

南海電気鉄道株式会社 まちづくりグループ経営企画部
粉川 純一さん

技術提供機関(研究機関名):関西大学/環境都市工学部

チーム名:Bチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

私は、実務においてスタートアップ共創を担当しており、技術シーズを起点に事業を考えるT-CEPが、自分の業務にとって学びが多いのではと考え、受講しました。普段の業務ではスタートアップの事業内容を起点に協業や事業を考えていますが、そのプロセスや考え方、大切にすべきことに違いがあるのかなど、共創の解像度が上がることを期待していました。

参加した結果、得たものは何ですか?

まず、そもそも技術がわからない。表層的に理解できても、それがどう社会実装できるかは五里霧中。それで儲けられるかなんて夢のまた夢。でも半年間で、こうやったら儲かるかもしれないという仮説を、それなりの説得力を持たせて作るところまで行かなアカンのです。ああ、今のこの状況、ほんまもんのスタートアップやったらランウェイに怯えながら死物狂いなんやろな…を仮想体験できました。そのプロセス全てが学びになりました。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

関西はディープテックを初めとする大学発スタートアップに強みがある、さらに言えばここに強みを見出さないと、他エリアのスタートアップエコシステムとは渡り合って行けない環境にあると思います。学んだことを活かし、T-CEPで得た仲間とも協力しながら、スタートアップの技術シーズ×大企業のリソースやケイパビリティで一つでも多くの事業を関西で生み出していきたいと考えています。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

普通の研修や講習にありがちな、インプットが中心の受け身なプロジェクトではないです。インプットしながら限られた時間でアウトプットも行う実践的な機会なので、知る→やってみる→理解する→徐々に実践できるようになる、というプロセスのどこまでたどり着けるかは個人の頑張り次第だと思います。座学で理論を学ぶのではなく、手を動かしてゼロから事業を作ってみるというのは誰でもできる経験ではないと思いますので、ぜひ参加して視野を広げてみて下さい。

ジーワン株式会社
伊藤 有香さん

技術提供機関(研究機関名):大阪工業大学/情報科学部/情報メディア学科/空間映像システム研究室

チーム名:Aktinaチーム(Cチーム)

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

日本スタートアップ支援協会のメルマガがきっかけです。
自身のキャリアとして10年ほどIT企業の第二創業事業立ち上げやIPO準備に携わってきたのですが、コアテクノロジーから事業を発想するということがなく、「実際に存在するアカデミアのシーズを事業化・社会実装する」というユニークな取り組みに、非常にワクワクし、メルマガを読んでからすぐに申し込みをしました。

参加した結果、得たものは何ですか?

一番は「技術の社会実装」というテーマの本質に徹底的に向き合えた経験だと思います。これまで顧客のニーズに対してソリューションを提供する事業開発を経験したことはありましたが、「コア技術をどう活かすか」という観点での事業開発は初めてでした。
技術の本質を考え抜き、用途開発をする。顧客ヒアリングを重ねて事業の「筋」を検討する。事業計画としてまとめてお金のことや市場のこと・将来を考える。限られた時間の中で凝縮された体験は財産です。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

T-CEPの期間の途中で、ある企業の管理部門からベンチャーの事業部門(医療関係の研究機関やアカデミアの研究活動を支援する事業)に転職し、T-CEPでの経験をそのまま活用できる環境へチャレンジしました。学びを活かし、アカデミアの研究成果を事業化目線で考え、次の打ち手をディスカッションできるのが、いま非常に楽しいです。将来的には日本を代表するような大学発ベンチャーを生み出すことができればと考えています。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

事業開発研修というものはたくさんありますが、ここまで参加者の行動を求められるアクティブラーニングはなかなかなく、経験が血肉にできる研修も珍しいと思います。この半年で「行動が見える世界を変える」という経験をさせてもらいました。時間の流れも、技術に対する見方も変わります。特にコア技術を保有している企業の新規事業担当者の方は、必須科目として参加されることをおすすめします。

住友ゴム工業株式会社 泉大津工場 経理課
森 悠香さん

技術提供機関(研究機関名):大阪公立大学/大学院工学研究科/機能デバイス研究室

チーム名:株式会社エステーツガーディアン(Dチーム)

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

勤務先の住友ゴム工業では新規事業による利益創出に力を入れており、将来的に近しい業務に携わりたく、少しでも経験値を積もうと応募しました。私は現在工場経理として勤務しており、社外で自己研鑽しようとすると、どうしてもインプットが中心になりがちでした。実践の場を求めていたところ、過去にT-CEPを受講した知り合いから、実地で事業創出のプロセスを学べると紹介してもらい、応募しました。

参加した結果、得たものは何ですか?

ひとつは、苦労して生み出したアイディアでも捨てることを躊躇わない精神、そして他者からの協力を取り付ける自信です。前者について、検証を進める内に思わしくない結果を得ても、当初はなかなか捨てられずにおりましたが、研修を通して大きな意識変容することができました。後者については、ヒアリングの依頼を何度も断られながらも数を追ったことで結果はついてきましたし、異なる組織文化、価値観を持つチームメンバーらと衝突もありながら最終的に事業案をまとめられたことも理由の一つです。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

直近では、中小企業診断士としての企業支援の場で活かしていきたいと思います。ときに経営者は「素晴らしい技術や商品=売れる」という認識に陥りがちです。T-CEPで何度も繰り返したヒアリング⇔仮説検証のサイクルを通して、顧客にコストを支払ってもらうには、その商品・サービスこそが顧客のペインを解決するのに適していると納得してもらことが重要であると、身をもって理解しました。T-CEPで得た学びを社会に還元していきたいです。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

類似業務を未経験の方にも参加をお勧めします。もちろん経験者と比べてハンデがあることは否めませんが、豊富な教材が提供され、そして事務局やアドバイザーからの助言も随時得られます。学んだ内容を即実践するので、短期間での学習効果が非常に高い構成となっています。一方で、研修期間は極めて短いです。所属組織で身に着いた価値観や習慣につい縛られがちですが、「まずは動く」、「迅速に仮説検証のサイクルを回す」ことを強く意識して取り組まれると、より成果に繋がりやすいと思います。

株式会社クボタ カスタマーソリューション事業推進部
小川 佳泰さん

技術提供機関(研究機関名):東北大学/オープンイノベーション事業戦略機構

チーム名:Eチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

私は、製品販売後のアフターマーケット事業を拡大するために、IoTシステムの企画および開発を担当しています。現在社内では、新規事業創出が強く求められていますが、私自身新規事業の立ち上げや支援の経験が少なく、この分野の知識を深める必要性をずっと感じていました。そんな中、ウメキタの開発に関するニュースを目にし、「うめきた未来イノベーション機構」と「T-CEP」の取り組みについて知り、応募しました。

参加した結果、得たものは何ですか?

既存の技術を起点として新規事業をゼロから立ち上げるプロセスを体系的に学ぶ機会を得ました。この経験から、「技術の適切な理解」と「顧客ニーズの正確な把握」の重要性を深く理解できたと思います。
また、半年にわたり技術理解から事業計画書の作成に至るまでの一連の流れを実際に経験することができ、大変有益でした。さらに、様々なバックグラウンドを持つ人々とチームを組み、一つのプロジェクトを完遂する過程で、多様な仕事の進め方や価値観にも触れることができました。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

現在、主にシステムの構築に関する業務に取り組んでいますが、T-CEPで得た知見を活かし、これまでのITシステムに関する技術的な側面だけでなく、事業企画の分野にも積極的に関わることで、会社への貢献を目指しています。特にT-CEPでベンチャー企業の資金調達や仕事の進め方についての理解を深めることができたため、将来ベンチャー企業と協業する機会があれば、相手の視点を理解しながらプロジェクトを進めていくことを意識していきたいと考えています。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

T-CEPでは、知識のインプットできるだけでなく、第一線で活躍されている方々との二人三脚で、顧客ヒアリングや積極的な取り組みでアウトプットを継続することの重要性を学びます。受講期間中、多くの難題に直面し、何度も壁にぶつかることがあるでしょう。しかし、チームメンバーと協力しながら、一つひとつの課題を解決していくプロセスを経験することで、乗り越えたときの達成感は非常に大きく、とても大きな行動変容が得られます。