2022年受講者インタビュー

株式会社富士インダストリーズ
窪田 健さん

技術提供機関(研究機関名):大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 システムデザイン工学科

チーム名:Aチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

「技術があれば世界を変えられる」そう信じて自動車メーカーから再生可能エネルギー企業に転職した際、市場、資金調達など、ビジネスには技術以外に必要な要素がたくさんあることを痛感しました。
その後、商社に転職してビジネス創出に関すする学びの機会・出会いを求めていました。そんな中、T-CEPを紹介されプログラムに強い興味を持ちました。
実践中心で期間も長く、やり遂げられるかどうか不安もありましたが、思い切って参加を決めました。

参加した結果、得たものは何ですか?

技術を起点でビジネスを創出するための手法・スキル「ビジネスとして解決すべき課題」を特定していくことの難しさと重要さです。チームで出したアイデアに対して、想定するユーザーへ実際にインタビューすると、常に想定外の返事が返って来ました(インターネットや調査会社のデータからは見えない部分が大半でした)。生の声をたくさん集めて、そこから本当のビジネスを紡ぎ出す、そのアプローチをやり続ける心の強さが一番大事だと学びました。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

まさに今の仕事(商社)の中で活用しています。経験や勘で属人的に行われてきた新規事業開発を見直し、論理的かつ課題を可視化(特に顧客の本音を紡ぎ出す)プロセスを当社なりにどのように組み込んでいくべきか議論を進めています。
また、気が付くとイベントでのネットワーキングでも、見知らぬ方との名刺交換時の心理的ハードルが下がっていました。この点も、今後への大きな変化になると感じています。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

大変だからこそ成長がある、やる価値がある、そう実感するプログラムです。新規事業は難しい、無意識に”やれない理由を探している”自分と向き合うことになり、主体性が試されます。
同時に、仲間がいることで発想が広がり、支えてもらえたりするので、同じ目的、異なる視点の仲間と組むことの重要さも学べます。特に、座学だけでなく実践の場がいくつも用意されている点は、他では経験できない内容だと思います。

住友理工株式会社
別府 有香さん

技術提供機関(研究機関名):関西大学 化学生命工学部

チーム名:Bチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

私は現在、研究戦略推進室に所属し、新規事業創出にも繋がる研究開発の仕組みを考えるミッションを持っています。しかし、私自身文系のため研究開発に取り組んだことはなく、新規事業の立ち上げ・支援の経験もありません。
そんな中、以前から参加させていただいている、新規事業担当者の集まる異業種交流会で、T-CEPについてご紹介いただきました。
技術起点の事業化を実践的に学ぶことで、仕組みを考える際のヒントを得られるのではと考え、参加を決めました。

参加した結果、得たものは何ですか?

半年間、試行錯誤・時には暗中模索しながら取り組む、初めての経験をさせていただきました。結果的に、事業化までの道を実践的に学べるほか、主体性やチーム内でのバランス感覚など、働く姿勢や考え方も変化することとなり、得られるものは大きかったです。
言葉にしてしまうと薄っぺらく聞こえてしまいますが、実践中心のプログラムだったからこそ「仮説を素早く検証すること」「ニーズの真摯さにこだわること」等の重要性を深く実感できたと思います。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

参加目的であった、研究開発の仕組み検討という観点では、多くのヒントを得られたほか、他社で同じようなことを検討している方々とも出会うことができました。今後は、時には彼らの知恵を借りながら、仮説・提案・ピボットを繰り返したいです。
また、あらゆる業務に共通することとして、「使えるものは何でも使う」という積極性を忘れないようにしたいです。T-CEPでの活動では、この部分が甘く悔しい思いもしましたが、だからこそ今後の業務では心掛けたいです。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

通常の業務をしていたら得られないような体験ができ、とても有意義な半年間だったと振り返ります。「技術に詳しくない」などと躊躇する必要はありません。必要なスキルは活動の中で身に付きます。それでも持っていないスキルは他の人から借りれば良いです。社外の人とチームで活動すること、事業化を目指すこと、いずれもとても貴重な体験だと思います。これらを「おもしろそう」と思える人にこそ、参加をおすすめします。

川崎車両株式会社
武井 啓さん

技術提供機関(研究機関名):大阪公立大学 大学院工学研究科

チーム名:Cチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

鉄道車両を製造している川崎車両株式会社の経営企画課に所属し、新事業の企画・支援を担当しています。業務にあたる中で、新事業の事業計画を検討する際に、どのようなことをどのような順に検討していくべきなのか、一連のプロセスを理解したいと考えていました。
そんな中、神戸には当社も関わっているANCHOR KOBEというインキュベーション施設があり、その関係でT-CEPをご紹介いただき、スキルの体得・幅広い参加者からの刺激を受けることを目的に参加を決めました。

参加した結果、得たものは何ですか?

技術が持つ本質的な特徴を前提とし、誰がどのようなことに困っているのかを考え抜くことの重要性を学びました。
技術を抽象化して「どのような価値を提供できるのか」というレベルで理解することで用途の転換が可能になること、仮説ベースで顧客課題を特定した上でインタビューを繰り返すことにより真のニーズにたどり着けることをT-CEPの経験を通じて理解できました。
加えて、社外のさまざまな優秀な方に出会うことができ、多くの刺激を受けると共に、プログラム終了後もつながる仲間を作ることができました。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

当社は製造業なので、自社が保有する技術は限られます。しかしながら、その限られた技術も「抽象化」と「要素抽出」を行うことで、仮説を立てながら世の中の課題とマッチングさせていくことは十分に可能だと学びました。
その学びを既存事業のピボットや新事業開発に活かすことができると確信を得ましたので、経営企画部門として各他部門へT-CEPの考えを導入し、新たな事業価値創造につながる支援活動へ繋げていければと考えています。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

T-CEPでは、さまざまな分野のプロから支援を受けながら理論・スキルを身につけることはもちろんですが、本当の技術の事業化に挑戦できることが一番の特徴です。また、自ら能動的に動かないと進まない=自ら事業を創る経験が積める場であり、試行錯誤しながら物事を進めることが好きな方・経験したい方にはオススメです。
「知っている」と「できる」は全く別だと思いますので、主体的に動いて自らの未熟さや上手くいったときの喜びを感じながら成長していくことに興味のある方は、ぜひ受講してみてください。

テック系ベンチャー企業
吉澤宏大さん

技術提供機関(研究機関名):大阪公立大学 生活科学研究科 & 工学研究科

チーム名:Dチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

参加当時の私は大手メーカーに務めており、スタートアップ企業との協業、共創を通した課題解決や新事業創出を目指していました。ただ実際に自分で新規事業を立ち上げた経験はなく、スタートアップ企業との協業、共創を進める中でも、進め方やスピード感で悩むことも多かったため、研修の中で模擬的に起業や新規事業開発を体験できることは学びになると考えて参加を決意しました。

参加した結果、得たものは何ですか?

顧客課題のヒアリングが重要であることを改めて学びました。仮説を自分の中だけで考え続けているのでは、いつもまでも前に進むことはできません。ヒアリングは、本当にその課題があるのか、実際に課題に感じていることは何なのかを理解することができ、その後の事業開発にも大きく影響してきます。 私たちのチームでは、ヒアリング結果をもとに、最初の数か月で何度も事業案を変更することになりましたが、結果的にこの変更(ピボット)が技術と課題がマッチする事業を立案することができました。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

私はT-CEPの期間中に、テック系ベンチャーへ転職しました。技術起点で社会課題の解決に向けた事業開発を行っていますが、T-CEPで学んだ事業案の発散やフレームワークを利用した整理などは早速実践しています。T-CEPでは、ニーズや課題に合わせて何度も事業案をピボットする必要性も学ぶことが出来たので、今の業務においても一つの案に固執せず、ヒアリングを通して社会課題を明確にし、その解決に向けた事業開発に向けて頑張ります。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

T-CEPは普段の業務では体験することが出来ない経験を短期間に得ることが出来ます。関わりが少ない技術の理解や所属する会社の看板を外してのヒアリング、事業案の度重なる変更など、大変ではありますが、経験したからこそその必要性や重要性を周りの方々へ伝えることが出来るようになります。大変ですが、すべてのプログラムが完了した後には、知識、経験、そして同じチームで過ごした仲間など、得られるものはとても多いので、ぜひT-CEPを受講することをお勧めします。

大阪大学 基礎工学研究科
渡邊 大記さん

技術提供機関(研究機関名):大阪大学 基礎工学研究科

チーム名:Eチーム

T-CEPへ参加するきっかけと、参加に至った動機はなんですか?

私は、社会人ドクターとして大学で研究を行っており、実務の経験もあります。大学は企業とは違い、研究が目的であり、技術を世に出すことを目的としていない部分があります。 しかし、自分自身で技術を世に出すための努力をしなければ、それが広く認知されることはないと感じました。そこで、自分の技術を社会に広めるためのプロセスを学ぶため、T-CEPに参加しました。自分の技術がどのような立ち位置にあるのかを明確にし、実際に社会に実装する方法を学びたいと思ったのが動機です。

参加した結果、得たものは何ですか?

大学発の技術を社会に広める方法について学ぶ中で、私が最も学んだことは「仲間の大切さ」だと感じています。私自身は社会実装に興味があっただけで、T-CEPに参加した当初は、右も左も分からない状態でした。多くの知らないことに直面し、場違いな気がすることもありました。しかし、私たちが役割分担を適切に行い、それぞれの責務を全うすることができれば、すべてを一人でやる必要はありません。改めて、仲間たちと協力することの大切さを感じました。

T-CEPで得たものを、今後どの様な場面で活かしていきたいですか?

今までの研究では、研究が科学的に面白いかどうかに主に焦点を当てていました。さらに、T-CEPでの経験を通じて、研究実績を社会実装するためにはどうすれば良いかという視点を持つことができるようになったと感じています。この視点を持って研究を進めることで、自分の技術を社会に活かす可能性を高めることができると思います。また、今回検討を行った技術を社会に実装するために、自ら起業することも視野に入れ、挑戦していきます。

今後、同様のプロジェクト(T-CEP)へ参加される方へのメッセージをお願いします

参加してみると、思ったよりも遥かに大変だと感じましたが、それだけ得ることができたものは(知識面,メンタル面共に)大きいと感じています。また、大学で研究を行っている方で、自分自身が持つ技術を実際に世の中に出すという経験をする人は、決して多くはないと思います。
もし、論文を出すだけではなく、自分が持っている技術で世の役に立ちたいと考えている方は、T-CEPに参加することをお勧めします。